この本読みました。
男性学者が書いた本で話題は仕事から男女関係まで多岐にわたります。
印象に残った点を2点あげておきます。
権力の定義
「権力とは、「他人の抵抗を退けてでも、自分のやりたいことをやり通す力」と定義できます。」p98
なるほど、と思える定義だなと思いました。
私が35歳ぐらいの時に上司から管理職への昇進を打診されたとき、断った理由の一つは、部下が過労死ぬかもしれないような業務命令を権力を背景に出さなければならないことがどうしても嫌だったからです。
当時は労基署の監督も甘く、月100時間やときには200時間の残業も珍しくありませんでした。そんななかで管理職になったら、部下を殺してしまうかもしれないという恐怖があったし、部下をかばえば、すなわち自分が仕事を抱え込み、自分がつぶれるだろうな、と感じていましたね。それほど当時のIT系企業の長時間残業は苛烈でした。
20代で海外駐在員などをつとめ出世コースに乗っていたのに、管理職になれなかったのはこういうわけです。
リタイヤした今は、その「権力」のシステムから抜け出しました。
大変心が平和で幸福です。
サイボウズの評価制度
「さまざまな働き方をする社員を一つの基準で比較するのは困難です。そこで、サイボウズでは等級を廃止して、給与を市場性で決めています。「転職したらその社員の給与はいくらになるか」で評価するところとです。」p111
これには驚きました。ブロガーのちきりんさんがよく、「上司から評価されるのではなく、市場から評価される人間になれ」みたいなことを書かれていますが、それを人事制度として本当にやっているところがあるとは、びっくりしました。
平易な本で半日でさらっと読めてしまいます。
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