麻生大臣が報告書を受け取らないことは私には理解できます。なぜかというと選挙前に「100年安心は嘘だったのか?」といった攻撃を受けたら、当然攻撃をかわしたいと思うわけで、「政府の立場は違う」と言わざるを得ないからです。
ただ、麻生大臣を批判する意見も見聞きします。
批判している人はおそらく、「人は正しい行動をとるべきだ」という信念も持ち主なんだろうなと思います。金融庁の報告書はしごく全うなものなので、それを認めるのが正しい行動のようにも思えるからです。
ただ。そのような信念はナイーブすぎると私は感じます。長年生きていると、人は正しい正しくないで行動するわけではなく、損得勘定で行動するものだと分かってきます。正しいかどうかは客観的で普遍的な概念ですが、損得というのは立場によって異なります。違う立場の人の意見・行動を理解しようと思うと、正しいかどうかではなくなく、人は損得で動くもので、もっといえばそれは恥ずかしいことではない、という人間観が必要になると思います。それが成熟した人間感だと思います。
金融庁の報告書に関係して、誰かに怒りを感じている人は、自分はナイーブすぎないか点検してみることをお勧めします。
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