投資賢者の心理学 ―行動経済学が明かす「あなたが勝てないワケ」
- 作者: 大江英樹
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2015/07/16
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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プロスペクト理論など行動経済学に基づいて、人間の心のクセがもたらす投資上の失敗について分かり易く書かれている良書だとも思います。
バリュー平均法も紹介されています。
この本を読むと、投資を失敗に導く心のクセは、人間本来もってる生存の欲求に根ざしたもので、抗うのは容易ではない、と感じます。
ではどうすればよいか?
投資のルールを決めるなどは、よくいわれることですが、「体験する」というのが目新しかったです。 つまり、心のクセを机上でいくら勉強しても体得するのは難しく、実際に投資をして、失敗して体験してみて、その失敗から学ぶ必要があるということです。
つまり、暴落の恐怖の中で、がまんしきれずに売って損をしたり、上昇相場で調子にのって買ってしまって高値つかみになったり、そういう体験をしながら、人間の心のクセを理解していくということです。
最初は小額で投資し失敗しながら学習し、心のクセがわかってきて、適切に対応できるようになって初めて、大きな金額を投資すればよいのでしょう。
投資の経験は、漠然と積むのではなく、本書の紹介されている心のクセを意識しながら学習すると良い経験知が得られると思います。
ドルコスト平均法に関する考察もおもしろかったです。
この方法は一括投資にくらばて特に優位性はないのですが、下手な買い方をするよりは、機械的に買ったほうが、心のクセがでない分、失敗が少ないし心理的にも楽だということはわかります。
私の心のクセとして、上昇相場で売ることに心理的な難しさを感じます。
ホールドしたらもっと儲かる、と欲が出てくるのです。含み益をみるとつい嬉しくなってしまって。
この心のクセに抗うには、含み益を見てはいけないのかもしれません。
バリュー平均法の欠点は、投資のオペレーションが手動であり自動化が難しいので、そこに人間の感情が入る隙があることだと思います。
バリュー平均法では、リスク資産の総額とバリューパスだけを見て、含み損益はみてはいけないのかもしれませんね。
バリューパスから足りない分を追加投資し、あまった分を売却することを機械的にやればよいのですから、含み益をみてニヤニヤしていてはダメなのでしょうね。
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