リーダーシップ教育産業が提示するような、人徳があって部下を思いやるようなリーダーは、感動的ではあるが実際とは違う。実際のリーダーは利己的で、冷酷で、癇癪持ちであることもしばしばある。
本書ではスティーブ・ジョブズやビル・ゲイツなどがいかに不道徳であったかを例にだして、現実のリーダーは理想のリーダーとは程遠いと言う。
人徳があり部下を思いやるようなリーダーは、教育産業が作り出した虚像というわけである。
リーダーシップ教育産業は効果のない教育をしているので、いつまでも問題は解決されず商売繁盛だというわけである。
”おとぎ話を信じたがっている人々は、真実から目を逸らし、自分の価値感を覆すような証拠は積極的に見まいとする。”p276
という一節は理想のリーダー像にかぎらずいろいろな場面でも適用できるのではないだろうか。たとえば政治家などは高潔な弱者の味方のような優しい人が、はたして、国際政治の舞台で日本の国益を守れるのか疑問に思うこともある。しかし小数だかそういう人を支持する国民もいる。
現実は美しくない。でもそれに耐えうる精神をもちましょう。そういうメッセージだと思った。これはとても重要なことで、その点で本書は一読に値すると思う。
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